総合コーチ受験時論文

「私と太極拳」

 私が太極拳の道に入ってから、十数年が経ちます。その間、たくさんの方々に出会いました。
そしてその縁はとても大切なものだと感じる出来事がありました。

 昨年の夏、「初めて習った先生」が亡くなりました。亡くなる少し前、先生から連絡が
あり太極拳用の資料を受け取って役立てて欲しいとのことです。

資料は膨大で多岐に渡り、套路などの資料の他、先生の先生が書いた資料の写しや30年ほど前
の郡山太極拳愛好会創生期の資料等がありました。その中には、今も活躍している先生方の
お名前も多数見られ、長い歴史を感じるものでした。

 その中に、ある手紙の下書きと、それに対する返事の葉書を見つけました。それは、先生が
引退するにあたり、今の先生に私の指導をよろしく頼むと依頼した際のやりとりでした。

先生方が、不肖の生徒を案じてくれている。感謝の気持ちでいっぱいです。
 太極拳には、
たくさんの人の縁が繋がっていると思います。そんなことを感じながら資料の整理を終え、
病院にお見舞いに伺いました。私の手を取り、「決しておごらず謙虚な気持ちで練習に励みなさい」と
言葉をくださいました。私にいろいろ伝えて安心したのか、その四日後、先生は亡くなりました。

 今、私は定期的に二人の先生に習っています。一人は先生に葉書を返信してくださった先生と、
もう一人は、前の先生が引退して困っていた私たちのクラブに声をかけてくださった先生です。
こうした縁に感謝しながら、これからも練習に励み、そして私から誰かに縁を繋いでいけるように
なりたいと思います。