1.   太極拳と山登り   (平成24年9月18日)  


      〜序章〜

       6月2日さかな・サカナ・さかな Part2 川釣編 で書いていた、念願の大鳥池に行く予定
      だった。行く気マンマン、買い物万端、もう気持ちは大鳥池ヒメマスだったのだけど・・・
      全く予想だにしなかった「雪が多すぎて除雪が入れず、駐車場さえも行けない」という現実が
      待ち受けていた。

       この釣りの装備は、もの凄い。池に行くというと、駐車場からそんなに遠くない場所にあるような気が
      するけれど。単に池に行くって話じゃなくて、ほぼ「登山」なのだ。しかも春山なので雪渓を渡る。道案内
      をしてくれる人から教えてもらった必需品は、

       ・速乾性の下着   ・着替え  ・山歩き用の靴  ・杖(登山用)  ・手袋  ・非常用食料  ・保温具
       ・靴カバー(雪や土が靴に入らないようにする為のもの)  ・釣り具  ・熊鈴たくさん(3ケ以上)
      
      すぐに思いつくだけでもこんな感じだ。それをリュックに入れて「いざ行かん!」 だったのが・・・(|||_|||)ガビーン

      諦めきれずに、急遽 小国町の玉川へのイワナ釣りに変更する。でも、やっぱり雪が多くて、しかも雪崩が
      あったとかで目的の本流へ行けずに、途方に暮れたけど・・・。最近導入したばかりの文明の利器、スマホで
      すぐさま近くの別の川を調べて、一番近そうな小玉川というところへ行ってみた。快晴で気持ち良かったけれど
      水は冷たい。結局、魚信(アタリ)らしきものもなく、諦めて再度、玉川のいつもの支流へ行ってみる。

       こちらは雪はもうなかったが、大雪後の激しい雪解けを意味する、渓相の大変化をみた。流木だらけ、
      砂だらけ、である。ポイントだった場所は木や砂で埋まっていて、とりあえず釣り止まる場所、いわゆる
      「イワナ止めの滝(ここでは砂防堤)」は、溜まった砂を流すためか切り込みが入れられ形を変えてイワナ
      が住み安い場所ではなさそうな風貌に変わっていた。もちろん全く釣れなかった(腕が悪いのは棚にあげる)

       翌週の6月9日。この日は、道案内人の都合と雪の状況改善せず。で行けなかった。それで、米沢へ川を
      見に行ってみた。釣ろうというより、米沢なら近いから、ちょっとでも釣りができそうな川を見てみようっていう
      感じ。私はちょっと気分が乗り切らない事情があり、小雨の中を釣りしたけれど全く心が入ってなくて釣れなかった。
      魚は正直だ。旦那が小さなヤマメを2匹釣った。
      
       〜本章〜

       そして6月16日。とうとうやってきた、待ちに待ったこの日だ!!家を出たのは前日夜中の11時過ぎ。
      案内人と落ち合って出発したのが12時半頃。高速の無料措置は終わっていたが早く釣り場に行きたいとの
      ことで、二本松ICより高速へ入り、村田JCより山形道へ。寒河江SAで休憩。月山ICより落ちて、下道を進む。
       
       大鳥池は、朝日村が合併されて鶴岡市になったところにある。「タキタロウ公園」という看板が見えた頃から、
      道は細く悪路になっていく。狭く古くオバケでも出そうなトンネルを通り抜ける。こんなとこにキャンプ場!?という
      ような場所を超え、集落を超え、運転を一歩間違えたら谷底へ真っ逆さまの峠道を通り、そして泡滝ダム横の 
      駐車場へ・・・のはずが、そこまで行けない。既に雪の山である。これには案内人も驚いたらしい。初めてのことだと
      いう。「これは初体験には難易度が高いぞ〜、ホントに行くの?」 「アムロ行きま〜す!」の気分だ。※このネタが
      わかる人は40代以上です 

       真っ暗だと動けないので、ほの明るくなってきたら歩き始める。3時半くらいだったろうか?いよいよ出発!
      駐車場前にある雪山を歩くとちょっと怖い。もうスキーを十何年やってないので、雪山を歩くってこと自体が本当に
      久しぶりだった。これを超えてダムの番小屋(調整所?)を通り過ぎ、遊歩道へ。まずは平坦で狭い道だが、その道の
      下は崖と言ってもいいくらい急な斜面で、その下は雪解け水がゴンゴンと流れる急流だ。落ちたら絶対命はない。

       初めは呼吸と速度が合わず、息が上がり気味だったが山歩きに慣れてきたのか、「岳」というマンガで読んだ、
      「チョロチョロ歩く(歩幅を大きく取ると疲れが早いため、極力小さく、また足を大きく踏みあげないように歩く)」
      を意識しながら「ちょろちょろちょろちょろ、ひっひっふぅー」と言いながら歩く。雪を超え、吊り橋を超え、急斜面を超え、
      給水地点で飲んだ水の涙が出るほど美味しかったこと!!!そしてたどり着いた「タキタロウ山荘」は神々しいまでに
      ありがたかった(大げさ?)

           

      @急斜面に雪がある、転がったら真っ逆さまに滑落  A吊り橋を渡る B急斜面を上り上がる C 飲水ポイント! Dタキタロウ山荘!

                

       
      E少しまだ陰りのある池 Fこうやって釣ってる  Gまるで鏡 Hこんなの初めてだと、案内人(黄色い人) I これがヒメマス

      案内人いわく「こんな美しい景色初めて見たぞ!底が見えてるぞ、魚も見えるぞ、これじゃあ釣れないぞ!!!ひどいときは
      吹雪で、とにかく曇ってなきゃ釣れないぞ!!!!!」とのこと。どうやら美しい景色と達成感と引き換えにヒメマスさんには
      嫌われた模様。それでもなぜか私は楽しくてしょうがなかった。時折「ピョイ(?)」とうっすら動く浮きが「引き」なのかただの風に
      流されただけなのかを考えながら・・・

       無常にも時は流れ、結局、「普通なら数十匹、最多記録200匹」の案内人でさえ7匹しか釣れなかった釣行だけれど、
      下山時刻になってしまった。さっき登った道下るのかぁ〜と思いながら、またここに来たいと思う自分がいることに気づいた。

      降りるときは登山よりゾワっとするところがあった。
             
          

      J 登ったんだから降りなきゃ    K こんなところに捕まっておりる L 行きは見えなかった〜!凄い雪渓

     13の雪渓を渡ったわけではないけど、J・Kで何をやってるのかと言うと・・・・。沢の上にある雪渓が崩れてしまっていて
     乗れなかったために土手を降りて上って無理やり突き進んだんです。でもこんなの釣り好き野郎には当たり前のことみたいです。

      でも行きと違って帰りは少し手馴れてきたし、さっき通った場所だったから気持ちもラクでした←それが落とし穴、
     実は自分たちが通ってきたところを振り返ったら15cmくらいの雪があるだけでその下は大きな穴だったとか、そんな場所が
     たくさんでした( ̄□||||!!
     
      今回、私は全く足腰どこも問題ありませんでした。上りはいいとして、危険性の高い下りも「太極拳の足腰」を使用して
     腰を据えてじっくりと降りてきました。だから全くどこかを痛めたりというのはなかった。でも、一緒に行った旦那は
     途中で膝を痛めてしまい、ヘリコプター呼びたいくらいの気持ちになったらしく、案内人は新装の靴だった&震災後
     仕事が忙しくてトレーニングしなかった で、カカトに豆ができてしまったことが原因で膝を痛めてしまい、結局
     元気だったのは私一人。(※初心者女性のため、荷物を少なく分担したことも一因)

      いや、車で3時間半。登山3時間半。釣り3時間半。下山3時間半。帰りの車3時間半。一体何をやってるんだろうと
     思いながら、そこに魚がいると思うと、行ってしまう釣り人根性ってのは凄いものですね。そしてその「かろうじて案内人さんが
     釣った7匹の貴重なヒメマス」のうち、3匹を譲ってもらいました。

      本当は2〜3kg送るはずだった翌6月17日の父の日のプレゼント。残念ながら2〜300gでしたが。「高級マグロ」と書かれた
     発泡スチロールに氷たくさんと共に、大鳥池の麓の街のコンビニから無事に旅立って行きました。

      父の日当日、岩手に住む両親の元に荷物がついたとき。高級マグロの刺身が届いたと思ってあけて目にした不思議な魚。
     それみて「何か???鱒(マス)??????みたいなの????」と思ったらしい。
     
      それは大変な苦労?をして手に入れた珍しい食材。しかし「マグロじゃなかった・・・・・・・」という落胆の雰囲気を
     体中から発しながら、両親から「マグロ届いたよ」という電話があったのでした。

     ※後に釣行中の写真を見て、父の日に珍しい食材を送りたかった娘の気持ちが伝わった模様です